「難病」ってなに?

みなさんは「難病」について、どんなイメージがありますか?  
私の場合、医師から「あなたは難病の可能性が高い」と告げられたときに最初に頭に浮かんだのは、 

 

難病=高齢者の病、不治の病、寝たきり生活 
 

などのワードでした。その時点で40代後半だったとはいえ、 まさか、私が難病??(うそでしょ〜)という感じで、まったく実感がわきませんでした。 
そもそも、難病について何の知識もないので、深刻さ具合も分かりませんでした。 

さらにショックだったのは、医師から「入院が必要です」と言われたことです。
人生で一度も入院した経験がなかったので、え〜うそでしょ!嫌だ!  と叫びそうでした。
そして、想定していたよりもかなり面倒な事態なのだと悟り、あらためて落ち込みました。

ちなみに難病の定義は、 

  • 原因が不明
  • 治療方針が確定していない
  • 後遺症を残すおそれが少なくない
  • 長期にわたる療養が必要 など

さらに難病のうち、 

  • 患者数が一定の人数以下(人口の0.1%程度以下)
  • 客観的な判断基準が確立している

といった要件を満たすものは、指定難病として医療費助成の対象になっています。 
私がかかっている「皮膚筋炎」も指定難病の一種です。 

ひとくちに指定難病といっても種類は多く、 
なんと338疾病もあります(2021年11月時点/厚生労働省ウェブサイトより)※1 
同じ難病でも人によって症状や進行具合はかなり違うため、 

 ・私は一体どのレベルなのか? 

・この痛みがなくなるまで、どのくらいかかるの? 

・将来的にはどうなるの? 

 など、疑問が噴出。 
分からないことが多すぎて、調べれば調べるほど不安になりました。 

 

さらに恐怖を覚えたのがステロイド薬の服用です。
ステロイドについて具体的には知りませんでしたが、
なんとなく怖い薬だというイメージはありました。

検索してみると、
ステロイドは怖くない!」 
ステロイドに不安を持つ方へ」のようなサイトも多く、
いかに恐れられている薬なのかが分かり、かえって落ち込みました。
 

私のような自己免疫疾病の患者は、基本的にステロイドを生涯服用することになります。 ステロイドに限ったことではありませんが、薬は治療効果などのメリットが副作用のデメリットを上回るから飲むわけですよね。 

実際、私はステロイドを飲んだ翌日から、それまでの痛みがウソのように軽減しました。 めちゃくちゃ効いた!という実感がありますし、服用を急に止めると炎症(痛み)が再発する恐れもあります。 

ありがたいお薬・・・ではありますが、長期間飲み続けることへの不安はぬぐえません。 実際、退院後には「これぞ副作用」といえるようなもろもろの痛み・辛さを味わいました。

よく「患者数が少ないと医薬品の開発コストが回収できないから製薬会社は開発に消極的」などと言われます(本当の話でしょうか?)。 
しかし、難病患者は増加の一途で、2020年度には100万人を突破しています(※2) 

人生100年時代、これからも患者数は増加していくことでしょう。 

ステロイドより少しでも副作用のない新薬の開発はもちろん、既存薬の転用が実現することを祈るばかりです。 

<あの頃の私へ>  
難病、ステロイド・・・たしかに怖いけど、あまり心配しすぎないで。 
ネットの情報を追いかけすぎると、それが新たなストレスになるから! 

  

*今日もぐるぐる* 

 

※1 
難病の種類(一部抜粋) 

  •  消化器系疾病(潰瘍性大腸炎クローン病など) 
  •  自己免疫疾病(全身性エリテマトーデスなど)→私はこのタイプ 
  •  神経・筋疾病(パーキンソン病など) 
  •  血液系(原発性免疫不全症候群など 
  •  内分泌系(下垂体前葉機能低下症など) 
  •  視覚系(網膜色素変性症など) 
  •  循環器系、呼吸器系、皮膚・結合組織系(神経線維腫症など) 
  •  骨・関節系(後縦靭帯骨化など) 

※2 
難病情報センターHP 
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5354