不毛な病院巡り 4ー大学病院(皮膚科)

 
複数の病院をぐるぐると回る日々の中で、
皮膚の発疹も拡大していました。
 
顔、手指に加えて、
脇の下あたりにもどーんと広範囲に発疹ができていたのです。
ここにもステロイド軟膏を塗っていましたが、
全くおさまる気配がありません。
 
そんなある日、
一番長く通っていた一般皮膚科の医師から
「なかなか改善しませんねぇ。大学病院に行ってみます?紹介状書きますから」
と言われました。
 
え〜? 大学病院!? そんなオオゴトなの?
確かに発疹は広がっていましたが、
こういう症状が大学病院マターだとは思いもしませんでした。
 
さらに医師からは、
「〇〇病院と〇〇病院、どっちがいい?」と聞かれました。
どちらも名の通った大学病院ですが縁もゆかりもないし、
両者の違いや特徴なども分からないので、決めあぐねていました。

すると医師は、
「ま、ここから通いやすいのは〇〇病院だね」
といった感じで、アクセスが便利な方に何となく決定。

結果的にこの病院に長〜くお世話になるわけですが、
当時は「どこでもいい、早く治してくれ!」という思いでいっぱいでした。
 

2019年3月下旬〜
●大学病院の皮膚科へ

いよいよ大学病院へ。私はこれまで頑丈に生きてきたので、
お見舞い以外で大学病院に来るのは初でした。

初診受付で紹介状正式には診療情報提供書)などを提出。
軽く病院の説明を受け、採血してから指定されたフロアの待合室へ。
 
なんか面倒なことになってしまったという無念と、
ようやく治るだろうという期待感が交差して、
自分の番号が呼ばれるのをひたすら待っていました。
 
しかし・・・ぜんぜん呼ばれない!
 
診察までこれほど長く待つとは考えもしなかったし、
長時間、同じ姿勢を保っているのも苦痛でした。
トイレで離席するたびに自分の順番が飛ばされたんじゃないかと疑い、
受付の方に「まだですか?」と確認してしまいました(反省)。
 
すっかり通院に慣れた今では「大学病院とはこういうもの」と理解し、
採血を済ませたらカフェに行ったり、院内ライブラリーで本を読んだり、
自分なりの時間の使い方をマスターしています。
 
さて、その後ようやく名前が呼ばれると、
今度は診察室の前にある小さな椅子で待つように指示されます。
いよいよ本当に「次は私」ということです。
ここで看護師さんから
「学生の診療参加型臨床実習へのご協力のお願い」
というA4サイズの紙を手渡されました。
 
医学生があなたの診療に参加してもいいですか?という確認の書類です。
なるほど、大学病院には未来の良医を育成するという
重要なミッションもあるわけですものね。
 
ただ、発疹は顔や手指だけでなく、脇の下にも広がっていたので、
少し抵抗感はありました。
とはいえ、まぁいいかと流れのまま承諾。
 
いざ診察室に入ると、
皮膚科部長なる医師の他に、女子学生2名がスタンバイしていました。

これまでの経過を説明し、顔と指の発疹の他、
ガバッと洋服をめくり上げて脇の下の発疹も診てもらいました。
 
ひと通り診察が終わると医師は
膠原病」「エスエルイー」などと聞きなれないワードを使って
早口で説明しはじめました。
 
うまく聞き取れず 「はい? もう一度お願いします」と言うと、
医師はメモ帳を取り出し、
 「紅斑→SLE、エリテマトーデス」などと大きな字で書きながら、
 
「血液検査の結果、赤血球沈降速度とクレアチンキナーゼ(CK)が高く、
全身性エリテマトーデス(SLE)の可能性があります」などと説明。
 
全身性エリテマトーデス(SLE)というのは膠原病の一種で、
全身の炎症と関節痛などの障害が起こる病気とのこと。
 
ただ、他の可能性もあり現時点で断定はできない。
少し様子をみる必要があるとのことで、
1ヶ月後にもう一度皮膚科を受診し、
あらためて血液検査やMRI検査をすることになりました。

診察後の気持ちは複雑でした。
膠原病」「エリテマトーデス」「慢性炎症」などの
詳細はよく分かりませんでしたが、
私がイメージしていたよりも、遥かに深刻だと分かり、
「これで治る!」といった淡い期待は完全に消えました。

そして、皮膚の症状と体の痛みが同じ原因かもしれないと、
このとき初めて認識したのです。
 
この日は炎症を抑える薬や軟膏に加え、漢方薬も処方されました。
この漢方薬、同じのがまだ残ってるけど、
断れないのかなぁなどと思いながらトボトボ帰宅しました。
 
<主な処方箋>
  • ロキソプロフェンNa60mg
  • ファモチジンOD錠20mg
  • プロトピック軟膏
  • ユベラNソフトカプセル200mg
  • サルポグレラート
  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
 
<あの頃の私へ>  
母親にも相談せず、ずっと一人で戦っていたこの頃。
周りにもっと相談して、頼っていればよかったのに・・・。