「体調はいいけれど数値は悪い」の不思議

体調はすこぶる良く、気持ちも前向きに過ごせているのですが、

血液検査の数値は良くならない。

むしろCK値は上昇(悪化)傾向。どうしてだろう?

担当医は「ご本人の実感(元気に過ごせている、特に痛くないなど)が

大切なので、薬の量は増やさず、現状の量を維持しましょう」という。

数値が少し悪くても、痛みの実感がなければ大丈夫、なの?

 

そんな日々で調子に乗っちゃった出来事をひとつ。

低山ハイキング。

秋の快晴で気分が良く、リフレッシュ!と思いきや

階段も多くハードな道を無理して歩き通したところ(歩数は1万6000歩くらい)

帰り道には前側の太ももにピリピリとした痛み。

筋肉がぎゅっとつまる感じで、重だるさ、疲労感が押し寄せてきました。

翌日から約1週間ほど足の痛みが続き、

目の下にはいつも以上に濃くクッキリとしたクマがどーんと出現。

CK値は跳ね上がっていたのではないかと思う。

その瞬間は気分が良くて楽しくても、後からしっかり「筋炎」がやってくる。

調子にのるなよってことなのかな。

歩数的には1日1万歩くらい、決して無理しないことが肝要だと

身をもって実感しました。

なので、次は同じ低山ハイキングの「階段抜き」で様子をみてみようと思います。

人体実験?

懲りないやつとは思うけど、家でジッとはしていられない。

病気と活動量の境界線を見極めながら元気に過ごしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病気の心得

入院初日に担当医から、次のような説明を受けました。
(ちょっと正確ではないかもしれませんが、
当時のメモをもとに書き起こしています)

ステロイドホルモンは副腎皮質ホルモンの一つで、
腎臓の少し上にある副腎から1日5mgくらい分泌されています。

通常は、このステロイドが体内の様々なトラブルを治してくれるのですが、
なんらかの影響でその5mgではカバーしきれなくなり、
今度は自分自身を傷つけるようになってしまう。
この不足分を補うのがステロイド薬になります。


あなたの今の体内の状態を例えるなら「火事」です。

体の中で大きな火事(炎症)が起きているので、
まずは火消し(ステロイド薬)を大量に投与して火事(炎症)を沈静化します。

一度鎮火しても種火が残っているかもしれないし、
再燃するかもしれない。
服用後は様子を見ながら、少しずつステロイドの投与量を減らして

あなたにとってベストな量を探っていきましょう。

ステロイド薬の服用は生涯続くことになるので、
病とうまく付き合って行くことが大事ですよ」

 

ふーーーん、そうなんだ。
事前に関連書を読んで理解している部分もありましたが
ステロイドを大量に服用する不安」については、
「鎮火」というイメージで少し納得することができました。

体にしっかりと薬効をもたらすために、
最初はドカンと「薬入ります!」って感じで飲むしかないんだろうな。
怖いけれど、それが治療の第一歩なんだなとあらためて悟ったのです。

 

病気の話は、なかなかすんなり理解できないので、
先生方から折に触れて教えていただくことで、
ゆっくりと体の馴染んでいくような気がしました。

 

<あの頃の私へ>  
ステロイド薬としっかり向き合うしかないと観念した頃。
気持ちのアップダウンが激しくて、精神的につらかったよね〜。

 

 

退職のこと

入院にあたり、当時勤めいていた会社を退職しました。

少人数の会社だったので休職という選択肢がなかったこと、
この会社の人間関係による様々なストレスが
病気の引き金になったと訝っていたので迷いはありませんでした。

 

それにしても、退職前は本当に無茶をしたと思います。
会社には病気について何も報告・相談していなかったので、
仕事に穴を開けないよう、必死に業務をこなしていました。
作業ペースが落ちるので、けっこう残業もしていました。

 

入院の2ヶ月前には、大阪出張までしました。
上司に相談すれば他の人に代わってもらえたとは思いますが、
責任感が強すぎるのか、意地なのか、単なるアホなのかよく分かりません。

 

ただ言えるのは、病気だとバレたくなかったということです。
だからこそ、同僚ともたまにランチに行ったりして、
自分的には平静を装っているつもりでした。

 

しかし、体の痛みは日増しに強くなり、
階段の上り下りも決死の覚悟で挑む日々。
会社の椅子から立ち上がるときは
心の中で「えいや!」と声をかけていました。

 

そんなある日、たまに会社に顔を出す会長(80代男性)から、
「なんか具合悪そうだなあ。目が窪んでるよ」と言われ、
そうか、見た目でバレてるんだ気付きました。

 

そりゃあそうですよね。コロナ禍の現在と違い、
ずっとマスクを着用しているのは「なんか変」という空気がありました。
とはいえマスクを外すと顔面にがっつり腫れがあるので
それはそれで怪しいし、周囲に気を遣わせてしまいそうだと
思ってやむなく着用していたのですが。

 

それに、この頃には脱毛も始まっていました。
毎朝、後頭部をチェックして、髪が薄くなっている
部分が目立たないようにピン留めしてカバーしたり、
ミリオンヘアーを塗って隠したりしていました・・・。

 

まあ、周囲から見ればモロ病人だったのでしょう。
皆さん大人だから、優しくスルーしてくれていたのです。

私だって、激痩せした人に
「老けましたね、病気ですか?」なんて聞きません。

でも、当事者になると意外と気付けなかった。
無遠慮な第三者(会長)がナチュラルに発した言葉(目が窪んでる)で、
ようやく自分を客観視できたのです。

 

<あの頃の私へ>  
退職前のラストスパートで出張までこなすという暴挙。
猪突猛進な性格が本当に裏目に出てたねーー。

入院当日〜スケジュール管理のこと

いよいよ入院当日。
指定された時間に病院の受付に行き、諸々の手続きを済ませて入院病室へ。
看護師さんから、病室の設備や備品、テレビのプリペイドカード、
共用部の利用ルールなどについてひと通り説明を受けました。

その後も、入れ替わり立ち替わり、医師や看護師さんが来て
様々な説明をしてくれます。

たとえば、

「明日の午前中にCT検査をするので、朝食は抜きになります。
後ほど同意書の提出をお願いします」


「入院中は尿と便の回数を毎日確認しますので、メモしておいてください」

「通院中に利用していた診察券はこちらでお預かりします。退院時に返却します」

この他にも細々としたやりとりがたくさんあり、
後から確認したいことも出てくるので筆記用具は必須かなと思います。

<スケジュール管理>

約1ヶ月の入院生活。
エコー検査やレントゲンなどの一般的な検査から、
MRI内視鏡、皮膚生検などの大物検査まで様々な検査が待ち受けています。

しかし、入院した時点では何の検査がいつ行われるのか、
明確には決まっていませんでした。

基本は看護師さんから「明日は〇〇の検査が入ります」と伝えられ、
その都度、検査日時が書かれた用紙と同意書が手渡されますが、
「今すぐに検査室行ってください」と急に呼び出しが入ることも。
一般外来の患者さんとの兼ね合いや、混雑状況によるという感じでした。

こうなると、「さっきもらった紙はいつまでに提出するのか」
「次の検査はいつだっけ?」など、訳が分からなくなってきました。

 

そこで作成したのが「マイカレンダー」です。
私の場合、マンスリーカレンダーを当月分だけA4サイズに拡大コピーして、
検査日や結果の判明日、教授回診日などを自分で書き込んでいました。

スケジュールが一覧できて便利でしたし、
先生方も回診に来るとそのカレンダーを見ながら、
「あ、もうこの検査はもう終わってるんだね」
「次は○○の検査ですね。この日にまた説明にきます」
などと話されていたので、しっかり情報共有できてよかったです。

 

それに、先生も看護師さんも何人もの患者を担当しているので、
「あれ? 先日の検査結果の説明ってもうしましたっけ?」
的な確認をされたこともあったので、
自分のことは自分がしっかり把握していないとダメだとも思いました。

 

これ以外にも、毎日ノートにその日の症状や思ったことなどをメモしていました。
「どこがどう痛い」ということを正しく伝えるのは意外と難しく、
「ジクジクしたような」
「ズキンズキンと脈打つような」
「チクチクするような」
など、その時の感覚をメモして看護師さんに伝えるようにしていました。
痛みってどれほど強くても、時間が経つと忘れちゃいますもんね。(私だけ?)

 

<あの頃の私へ>  
病院生活に慣れるために、試行錯誤していた頃。
スケジュール管理は有効だったけど、もっと気楽に構えていればいいんだよ〜。

パジャマ問題

 

私は入院するにあたり、手持ちのパジャマを2セット持参しました。
冷房の効いた病室でそれほど汗をかくこともないし、
洗濯もできるからそれで十分だと思ったのです。

しかし、
入院患者の大半は、病院のレンタルパジャマを利用していました。
なぜそれが分かるかというと、
ほとんどの入院患者は、日中もそのパジャマ姿で行動していたからです。


私は寝る前にパジャマに着替えるという感覚だったので、
最初はちょっと驚きました。

だって、病棟内にある談話室にはお見舞いなど一般の方も来るし、
エレベーターで移動する時や、
診察を待つ間などは外来患者と一緒になるわけで・・・。

パジャマ姿だと「ザ・入院患者」という感じがして
やだな~と思ってしまったのです。
そもそも、パジャマ姿ってなんか照れませんか?

レンタルパジャマのデザインは、
ピンクまたはブルーのギンガムチェックで、甚平風のセパレートタイプ。
レンタル費はバスタオルとセットで1日数百円だったと思います。

ちなみに、学生っぽい入院患者は男女とも
Tシャツ・短パン姿が多かったと思います。

 

ただ、入院も1週間くらい経つと、全く気にならなくなりました。
「誰も気にしちゃいない」というのが真実ですし、
多くの時間をベッドで過ごすのでパジャマの方が合理的です(当然ですが)。

 

それに、私物だと自分で洗濯しなくてはいけないし、
日中用の普段着も必要なので、クローク内でもかさばりました。
最初からレンタルパジャマにしてしまえば入院時の荷物も激減します。

ということで、もし次に入院するようなことがあれば
迷わずレンタルパジャマを利用すると思います。

 

<あの頃の私へ>  
入院患者に見られたくないという、小さな抵抗心があったよね。
大事なのは日々の快適性。自分がラクな方を選ぶこと!

入院準備~便利だったもの

入院にあたり、病院の受付でいろいろと手続きをしました。
入院当日に提出する各種書類の受け取り、病室(個室か相部屋か)やレンタル品の利用についてなど、ひと通り説明を受けました。

その際、「持ち物リスト」も渡されました。このあたりのモノは自分で用意してきてくださいね、という生活必需品の一覧です。

たとえば、

  • パジャマ、タオル類(レンタル有り)
  • ガウンまたはカーディガンなどの上着(病棟外に出かける際に必要)
  • 湯呑み(破損の恐れがあるので陶磁器はNG)
  • 洗面用具(歯ブラシ、石鹸、シャンプー類等)
  • 室内履き

 

ふだん使っているものを持ち込めばいいやと思いましたが、
「室内履き」は、ズバリのモノを持っていなかったので
買うべきかどうか悩みました。

リストの注意書きには、
「着脱が容易で転倒防止のため滑りにくく、かかとのある靴タイプをお勧めします」と書いてあります。

さっそく「室内ばき かかとあり 入院」で検索してみると
甲の部分が面ファスナーになっている介護シューズとか
上履きみたいなリハビリシューズとか色々なタイプが出てきました。

なるほど、快適そうだなとは思ったのですが、
デザイン的にも納得できるモノになるとけっこうな価格になってしまう。
ここは少しでも出費を抑えるべきと思い直し、
手持ちのクロックスと普通のスリッパを持参することにしました。

結果的に、全く問題ありませんでした。
病棟内を移動するときはクロックス。
トイレやシャワー室はスリッパと使い分けました。
夜中のトイレも、暗闇でスッと履けるスリッパが重宝しました。

それに、診察時もベッドに横になる度に着脱するので、
マジックテープタイプも意外と煩わしいかなと思います。
でも、ご高齢で転倒防止が重要になる場合は介護用シューズがいいかもしれません。

 

こんな感じで荷物を準備していると、
「あれも必要かな」「これも便利かな」という感じで
けっこう荷物が増えてしまいました。

実際、入院時の私の荷物は、キャリーケースとボストンバッグに紙袋2つ。
「多くない?」と思いますよね。そう、多かったんです、無駄なものが。

 

<不要だったもの>

・たくさんの着替え

冷暖房完備の病室で汗もかかないし、2パターン程度あれば十分です。
それに、入院患者さんは圧倒的にレンタルパジャマ派が多いので、あまり外出着っぽい格好をすると悪目立ちする気もしました。

・塗り絵&クロスワードパズルなどの雑誌

1ヶ月もあるからと思って持参しましたが、ほとんどやりませんでした。
日常生活でやらないことは入院してもやらないようです。
文庫本2~3冊で私は十分でした。

 

<便利だったもの>

・ボディシート&ドライシャンプー

体調が悪くシャワーを利用できないこともあったので、
気軽にリフレッシュできて便利でした。

 

・リネンコロン(ピローミスト、アロマオイルのスプレーなど)

病室のベッドにずーっと居るので、においが気になるときや気分転換したい時に。
ただ、香りは嗜好品というか、好みのあるものなので、昼間など周囲に人がいない時にシュッとスプレーしていました。ここは相部屋の難しいところかもしれません。

・コードが長いイヤホン

これは意外と大事でした。ベッドで横になりながらテレビを見る時、イヤホンのコードが短いと外れてしまい、音漏れになってしまうので。

 

・使い捨ての厚手のペーパータオル

バスタオル代わりに重宝しました。入院当初は持参のバスタオルを使っていたのですが、濡れたタオルを乾かすスペースがなく、すぐに洗濯できるわけでもないので、ペーパータオルで代用。入院後半から、バスタオルはレンタルに切り替えました。

・ランドリーバッグ

病棟内のランドリー室を利用する際は、当たり前ですが、洗濯物を自分で運びます。
一度にたくさん洗いたいと思う私は、大量の洗濯物(パジャマやタオルはけっこうかさばります)をバサッと入れるため、IKEAの大きめショッピングバッグを利用しました。洗いあがった洗濯物はまだ熱を帯びてアツアツなので、そういう意味でも大きな袋があると便利です。

「入院してもらいます」

 

最初の異変から約半年。

ずーっと悩まされてきた顔の発疹と全身の痛みが
「皮膚筋炎/多発性筋炎」という病気らしいということが分かり、

「さあ、頑張って早く治そう」と思った矢先、
医師から衝撃的なフレーズを聞かされました。

「難病」だというのです。

その時点で私は「皮膚筋炎/多発性筋炎」という病気が
難病であることを理解していませんでした。

え、なんびょう? 
難病ってあの、原因不明で完治しないやつ? ウソでしょ?

さらにショックを受けたのは「入院」です。

医師から「入院していただきます」と言われたとたん、
頭の中を「???」が駆け巡りました。
たしかに症状はつらいけど、入院するほどのことなの?

その時の会話はこんな感じでした。

 
「そんな・・・先生、どうしても入院ですか? 通院ではダメですか?」
先生「そうですね。診断を確定するために、まずは全身を検査します」
私「確定って・・・皮膚筋炎じゃないんですか?」
先生「今は皮膚筋炎の疑いがあるという段階です。病気を確定するためには、全身の様々な検査や皮膚生検などを行う必要があるんです」
私「皮膚生検ってなんですか?」
先生「病変のある皮膚の一部を切除して検査します」
私「痛いんですか?」
先生「数ミリ程度ですし、麻酔しますから大丈夫ですよ」
私「入院ってどのくらいですか? 2~3日くらいかかります?」
先生「いえいえ、1ヶ月程度はかかりますよ」
私「ええっ!! どうしてそんなに長くかかるんですか?」
先生「この病気は悪性腫瘍を合併している可能性もあるので、全身の検査をして、悪性腫瘍がないかどうかスクリーニングする必要があります」
私「・・・」


入院するしかない・・・事の重大さをあらためて認識しました。
がっくりと落ち込む私に医師は、

「皮膚筋炎・多発性筋炎の患者さんへ」というリーフレット
渡してくださいました。「治療や心構えについても分かりやすく書いてありますから、ぜひ目を通しておいてくださいね」

入院・・・しかも1ヶ月。

不安・悲しさ・怒りみたいな感情がぐるぐる巡って
「どうしよう、どうしよう」と、気持ちが落ち着きませんでした。

同時に、入院のための準備や段取りをつけなくてはと、
ある種の「やる気」が湧いて、奇妙な頑張りモードに入ってしまいました。

医師からいただいたリーフレットには
「この病気は安静にすることが最も重要です」と書いてあるのに・・・ああ。

 

<あの頃の私へ>  
安静にするどころか、病気を隠して仕事でも無理をしていた頃。
見栄をはらず、素直に病状を説明して助けを求めるべきだったね。