退職のこと

入院にあたり、当時勤めいていた会社を退職しました。

少人数の会社だったので休職という選択肢がなかったこと、
この会社の人間関係による様々なストレスが
病気の引き金になったと訝っていたので迷いはありませんでした。

 

それにしても、退職前は本当に無茶をしたと思います。
会社には病気について何も報告・相談していなかったので、
仕事に穴を開けないよう、必死に業務をこなしていました。
作業ペースが落ちるので、けっこう残業もしていました。

 

入院の2ヶ月前には、大阪出張までしました。
上司に相談すれば他の人に代わってもらえたとは思いますが、
責任感が強すぎるのか、意地なのか、単なるアホなのかよく分かりません。

 

ただ言えるのは、病気だとバレたくなかったということです。
だからこそ、同僚ともたまにランチに行ったりして、
自分的には平静を装っているつもりでした。

 

しかし、体の痛みは日増しに強くなり、
階段の上り下りも決死の覚悟で挑む日々。
会社の椅子から立ち上がるときは
心の中で「えいや!」と声をかけていました。

 

そんなある日、たまに会社に顔を出す会長(80代男性)から、
「なんか具合悪そうだなあ。目が窪んでるよ」と言われ、
そうか、見た目でバレてるんだ気付きました。

 

そりゃあそうですよね。コロナ禍の現在と違い、
ずっとマスクを着用しているのは「なんか変」という空気がありました。
とはいえマスクを外すと顔面にがっつり腫れがあるので
それはそれで怪しいし、周囲に気を遣わせてしまいそうだと
思ってやむなく着用していたのですが。

 

それに、この頃には脱毛も始まっていました。
毎朝、後頭部をチェックして、髪が薄くなっている
部分が目立たないようにピン留めしてカバーしたり、
ミリオンヘアーを塗って隠したりしていました・・・。

 

まあ、周囲から見ればモロ病人だったのでしょう。
皆さん大人だから、優しくスルーしてくれていたのです。

私だって、激痩せした人に
「老けましたね、病気ですか?」なんて聞きません。

でも、当事者になると意外と気付けなかった。
無遠慮な第三者(会長)がナチュラルに発した言葉(目が窪んでる)で、
ようやく自分を客観視できたのです。

 

<あの頃の私へ>  
退職前のラストスパートで出張までこなすという暴挙。
猪突猛進な性格が本当に裏目に出てたねーー。