不毛な病院巡り 5ー大学病院(リウマチ・膠原病内科)
そこから4月、5月と3ヶ月連続で通院しました。
悪化するほど数字は高くなります。
ぐんぐん数字が上がっていることがわかります。
※いずれも単位省略
・赤血球沈降速度(基準値は15未満)
3月・・・33
4月・・・(計測なし)
5月・・・55
3月・・・183
4月・・・233
5月・・・371
これは過去イチの数値です(2022年5月現在)。
慌てた感じで看護師に伝えていたことを覚えています。
あれ、全身性エリテマトーデスじゃないんだ?
またまた知らない病名で驚きました。
体の中に入ってきたら攻撃して退治してくれるという
ありがたいシステムです。
無理して仕事を頑張っていたよね・・・
不毛な病院巡り 4ー大学病院(皮膚科)
皮膚の発疹も拡大していました。
一番長く通っていた一般皮膚科の医師から
「なかなか改善しませんねぇ。大学病院に行ってみます?紹介状書きますから」
と言われました。
こういう症状が大学病院マターだとは思いもしませんでした。
「〇〇病院と〇〇病院、どっちがいい?」と聞かれました。
どちらも名の通った大学病院ですが縁もゆかりもないし、
両者の違いや特徴なども分からないので、決めあぐねていました。
「ま、ここから通いやすいのは〇〇病院だね」
といった感じで、アクセスが便利な方に何となく決定。
結果的にこの病院に長〜くお世話になるわけですが、
当時は「どこでもいい、早く治してくれ!」という思いでいっぱいでした。
2019年3月下旬〜
●大学病院の皮膚科へ
お見舞い以外で大学病院に来るのは初でした。
軽く病院の説明を受け、採血してから指定されたフロアの待合室へ。
ようやく治るだろうという期待感が交差して、
自分の番号が呼ばれるのをひたすら待っていました。
長時間、同じ姿勢を保っているのも苦痛でした。
トイレで離席するたびに自分の順番が飛ばされたんじゃないかと疑い、
受付の方に「まだですか?」と確認してしまいました(反省)。
採血を済ませたらカフェに行ったり、院内ライブラリーで本を読んだり、
自分なりの時間の使い方をマスターしています。
今度は診察室の前にある小さな椅子で待つように指示されます。
いよいよ本当に「次は私」ということです。
ここで看護師さんから
「学生の診療参加型臨床実習へのご協力のお願い」
というA4サイズの紙を手渡されました。
少し抵抗感はありました。
とはいえ、まぁいいかと流れのまま承諾。
皮膚科部長なる医師の他に、女子学生2名がスタンバイしていました。
これまでの経過を説明し、顔と指の発疹の他、
ガバッと洋服をめくり上げて脇の下の発疹も診てもらいました。
医師はメモ帳を取り出し、
「紅斑→SLE、エリテマトーデス」などと大きな字で書きながら、
全身性エリテマトーデス(SLE)の可能性があります」などと説明。
全身の炎症と関節痛などの障害が起こる病気とのこと。
「膠原病」「エリテマトーデス」「慢性炎症」などの
詳細はよく分かりませんでしたが、
私がイメージしていたよりも、遥かに深刻だと分かり、
「これで治る!」といった淡い期待は完全に消えました。
そして、皮膚の症状と体の痛みが同じ原因かもしれないと、
このとき初めて認識したのです。
母親にも相談せず、ずっと一人で戦っていたこの頃。
周りにもっと相談して、頼っていればよかったのに・・・。
不毛な病院巡り 3ー整形外科・リハビリ施設
●2019年3月〜
整形外科
骨に異常がないので1回で終了となりました。
しかし、痛みは治まるどころか、どんどんレベルアップしていました。
日中も強い痛みを感じ続けるようになったので、
仕事を中抜けし、会社の近くにある整形外科へ行きました。
最初は鎮痛剤としてロキソニンが処方されましたが、
痛みが治まらないため、より強いトラムセット配合錠も処方されました。
トラムセット配合錠は副作用として吐き気やめまいが起こることがあると
言われましたが、体の痛みが強すぎてその他の不調はよく分かりませんでした。
この整形外科にはリハビリテーション科が併設されており、
年配の患者さんを中心に、みなさん静かに温熱療法などを受けていました。
「血流の増加、鎮痛効果、振動のマッサージ効果による損傷部位の治癒促進・・・」等とあります。
私も診察と合わせて温熱療法&超音波療法を受けることに。
医師から週に1度はリハビリに通うように言われましたが、
仕事の都合で予約日時を変更してもらうことが続いてしまい、
「前回からこんなに期間が空いたら治るものも治らない」
「もっとしっかりリハビリしなさい」と、キツめに指導されました。
「根本的に何かが違う、これじゃ治らないな」と感じました。
そのことを医師に伝えましたが、
「リハビリは根気よく続けないと効果が出ない」と言われ、
そんな悠長なこと言ってらんないよ、と思って通院をやめました。
金銭的な負担も大きかったです。
とにかく当時は、いろいろな治療を手当たり次第に試していました。
●2019年3月〜
リハビリ施設
カイロプラクティックなどの治療をしていただきました。
骨折した時に使用するような腕つりバンドも購入。
その時は藁にもすがる思いで、通勤時にも腕つりバンドを使用していました。
持ち前の行動力を発揮しすぎて、かえって疲れてない?
難病患者なんだからもっと安静にして、会社を休むことも必要だったね。
不毛な病院巡り 2ー整形外科
最初に発疹ができてから約4ヶ月。
皮膚科に通っても全く効果が出ないことに加えて、
2月頃になると体のあちこちが激しく痛み出しました。
首がイタイ、肩がイタイ・・・。
まあ、中年になれば全身あちこちにガタがくるし、
更年期障害の一種かな、仕事の疲れが出たのかな、などと思っていました。
でも痛みのレベルはぐんぐん上がり、
堪えがたいほどの強烈な痛みに襲われるようになりました。
日常生活にも更に支障をきたすようになってきたのです。
たとえば、
手に力が入らない!
起床時が一番ひどかったのですが、
手指がこわばっていて、力が入らず、グーが作れませんでした。
歯磨きをしたくても歯ブラシがうまく握れないので、
親指と人差し指でブラシをつまむように持ち(=デスノートのL)、
ぎこちなく磨いていました。
こわばりは時間がたつとマシになってくるのですが、
調子が悪い日はパソコンのキーボードがうまく打てず、
両手の人差し指だけで1文字ずつ入力したりしていました。
物を落としてしゃがみこむと、すっと立ち上がれなくなりました。
昼間は仕事もあり気も張っているので
なんとか日常生活を送れていましたが、そのツケが就寝中に爆発!
夜中に何度も「痛い!!」と叫んで起き上がっていました。
足取りがめちゃ重い!
油の切れた自転車を必死に漕ぐような感じで、
下半身に力が入らず、足がスムーズに前へ進まないのです。
駅まで数分の道のりが本当に遠く感じられました。
階段の上り下りも大変で、
一歩一歩、手すりにつかまりながら必死に歩みを進めていました。
●2019年2月〜
整形外科
もしかして骨にヒビでも入ってるのか?と近所の整形外科へ。
先生にどのように症状を伝えたのか正確には覚えていませんが、
とにかく「肩の激痛」に苛まれていたので、
手のこわばりなどには触れていなかったのかもしれません。
<主な処方薬>
<あの頃の私へ>
医師に自分の症状をしっかりと伝えていたか?
自分で勝手に判断せず、いろいろな可能性を探ってみよう。
不毛な病院巡り 1ー皮膚科
最初の異変は「手指の赤いふくらみ」でした。
両手の親指の付け根や薬指の側面などに、
ポツポツと小さな発疹ができていたのです。
くらいにしか思っていませんでしたが、
次第にまぶたや鼻の周りにも同じような発疹が現れました。
ファンデーションの重ね塗りでやり過ごしていました。
そのうち治ってくれるだろうと。
指で触るとしっかりとした厚みも感じられるように。
ファンデーションでは隠しきれないレベルになり、
痛々しい感じになってきたところで、皮膚科に通い始めました。
2018年10月〜
●美容皮膚科
この頃は顔と手指の発疹がメインだったので、
「顔の赤みを早く治したい」という思いが強く、
「美容皮膚科なら、効果の高い薬を処方してもらえるのでは?」
という安易な気持ちで病院を選び、計3回ほど通院しました。
この皮膚科では、皮膚の赤みや腫れなどの症状を改善するため
ステロイドの軟膏や抗ヒスタミン薬などが処方されました。
しかし、これらの薬ではまったく改善せず(当然ですが)、
3回目の診察時に医師の言動や態度から
〝お手上げ感〟が出ていた気がして、転院することにしました。
<主な処方薬>
キンダベート軟膏0.05%
リンデロン-V0.12%
ベポタスチンベシル塩酸OD錠10mgタナベ
ネオメドロールEE軟膏
ザイザル錠5mg
2019年1月〜
●一般皮膚科
初診時に医師からは、
「あなたは自分の顔を触り過ぎるから、接触性皮膚炎の疑いもある。
ストレスやビタミン不足にも気をつけるように」と言われました。
「なるほど、そういう可能性もあるのか」と納得。
薬をせっせと飲む&塗るしていました。
1月から通い始めて、4月末までに計7回診察を受けました。
美容皮膚科と同じようなステロイドの軟膏も複数ありましたし、
ビタミンC・B2・B6、漢方薬なども大量に摂りました。
ステロイドの外用剤を塗っても良くならない場合は、
薬の量が足りておらず、患部にしっかり塗れていないことが多いのだとか。
逆に言うと、
適量を正しく使用しているのに、5~6日経っても良くならない場合は、
ステロイドが適応する発疹ではない可能性が高いということ。
私の場合はまさにこれで、
最初の診察から少なくとも10日ほど外用剤を使用した時点で、
「ステロイドが効かない」ことは明らかだったのです。
では、なぜ使い続けてしまったのか?
これは今もよくわかりません。
私としては「とにかく赤い顔を治したい」という一心だったし、
外用剤は種類がいろいろあったので「次は効くかも」と期待し、
せっせと使い続けるしか方法がありませんでした。
<主な処方薬>
外用剤
発疹は顔のあちこちに広がっていたので出勤時はマスクをしました。
コロナ禍の今となってはおなじみのマスクですが、
当時は、花粉シーズンが過ぎてもマスク姿というのは珍しく、
ちょっと奇異な目で見られていたと思います。
会社でもずっとマスク。
同僚とのランチ時にマスクを外すのがイヤで、
ひとり、公園でお弁当を食べたりしていました。
(つづく)
<あの頃の私へ>
その薬は本当に効くのか?
やみくもに使い続けるのではなく、効果を見極めることが大事!
*今日もぐるぐる*
「難病」ってなに?
みなさんは「難病」について、どんなイメージがありますか?
私の場合、医師から「あなたは難病の可能性が高い」と告げられたときに最初に頭に浮かんだのは、
難病=高齢者の病、不治の病、寝たきり生活
などのワードでした。その時点で40代後半だったとはいえ、 まさか、私が難病??(うそでしょ〜)という感じで、まったく実感がわきませんでした。
そもそも、難病について何の知識もないので、深刻さ具合も分かりませんでした。
さらにショックだったのは、医師から「入院が必要です」と言われたことです。
人生で一度も入院した経験がなかったので、え〜うそでしょ!嫌だ! と叫びそうでした。 そして、想定していたよりもかなり面倒な事態なのだと悟り、あらためて落ち込みました。
ちなみに難病の定義は、
- 原因が不明
- 治療方針が確定していない
- 後遺症を残すおそれが少なくない
- 長期にわたる療養が必要 など
さらに難病のうち、
- 患者数が一定の人数以下(人口の0.1%程度以下)
- 客観的な判断基準が確立している
といった要件を満たすものは、指定難病として医療費助成の対象になっています。
私がかかっている「皮膚筋炎」も指定難病の一種です。
ひとくちに指定難病といっても種類は多く、
なんと338疾病もあります(2021年11月時点/厚生労働省ウェブサイトより)※1
同じ難病でも人によって症状や進行具合はかなり違うため、
・私は一体どのレベルなのか?
・この痛みがなくなるまで、どのくらいかかるの?
・将来的にはどうなるの?
など、疑問が噴出。
分からないことが多すぎて、調べれば調べるほど不安になりました。
さらに恐怖を覚えたのがステロイド薬の服用です。
ステロイドについて具体的には知りませんでしたが、なんとなく怖い薬だというイメージはありました。
検索してみると、
「ステロイドは怖くない!」
「ステロイドに不安を持つ方へ」のようなサイトも多く、
いかに恐れられている薬なのかが分かり、かえって落ち込みました。
私のような自己免疫疾病の患者は、基本的にステロイドを生涯服用することになります。 ステロイドに限ったことではありませんが、薬は治療効果などのメリットが副作用のデメリットを上回るから飲むわけですよね。
実際、私はステロイドを飲んだ翌日から、それまでの痛みがウソのように軽減しました。 めちゃくちゃ効いた!という実感がありますし、服用を急に止めると炎症(痛み)が再発する恐れもあります。
ありがたいお薬・・・ではありますが、長期間飲み続けることへの不安はぬぐえません。 実際、退院後には「これぞ副作用」といえるようなもろもろの痛み・辛さを味わいました。
よく「患者数が少ないと医薬品の開発コストが回収できないから製薬会社は開発に消極的」などと言われます(本当の話でしょうか?)。
しかし、難病患者は増加の一途で、2020年度には100万人を突破しています(※2)。
人生100年時代、これからも患者数は増加していくことでしょう。
ステロイドより少しでも副作用のない新薬の開発はもちろん、既存薬の転用が実現することを祈るばかりです。
<あの頃の私へ>
難病、ステロイド・・・たしかに怖いけど、あまり心配しすぎないで。
ネットの情報を追いかけすぎると、それが新たなストレスになるから!
*今日もぐるぐる*
※1
難病の種類(一部抜粋)
- 消化器系疾病(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
- 自己免疫疾病(全身性エリテマトーデスなど)→私はこのタイプ
- 神経・筋疾病(パーキンソン病など)
- 血液系(原発性免疫不全症候群など
- 内分泌系(下垂体前葉機能低下症など)
- 視覚系(網膜色素変性症など)
- 循環器系、呼吸器系、皮膚・結合組織系(神経線維腫症など)
- 骨・関節系(後縦靭帯骨化など)
※2
難病情報センターHP
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5354
はじめに
2019年4月に指定難病「皮膚筋炎/多発性筋炎」の診断を受けました。
体調に異変を感じてから、病名が分かるまで約6ヶ月。
この期間は、ほんとーーーにキツかったです。
症状の大まかな流れは、
顔の発疹 → 手指の腫れと痛み → 首・肩の激痛
→ 太ももの激痛 → 歩行困難
少しずつ変化する様々な症状に翻弄されながら
皮膚科、整形外科、整骨院と様々な病院をぐるぐると巡りました。
というのも当時は、
それぞれの症状は別の要因(病気)だと思っていたので、
「あちこち痛いよ~更年期なのか!?」と嘆きながら、
対処療法的に、並行して複数の病院にかかっていたのです。
もちろん症状をネットで調べ、原因を見つけようとはしていました。
たとえば「顔の発疹」の場合
- 稗粒腫(白いブツブツができる症状なので私は違いそう)
- 接触皮膚炎(赤いかぶれ。最初はこれかと思っていました)
- 乾癬(髪の生え際やひじ、ひざに多いらしく、顔に症状が出る私は違いそう)
- 薬物性肝障害(薬やサプリの服用による。何も飲んでいなかったので違いそう)
他にもいろいろな病名が出てきましたがどれもピンとこず、
そのうち自然治癒するかもと期待して放置していました。
なんせ、まさか自分が「難病」だとは1ミリも想像していなかったので。
その頃のお薬手帳を見ると、
鎮痛薬や塗り薬、ロキソニンの湿布薬、漢方薬、ビタミン類・・・
病院で処方されるままに、いろいろな薬をせっせと取り入れていました。
でも、どの医者にかかっても、
どんな薬を飲んでも体調は一向に良くならない(当然ですが)。
それどころか、痛みはどんどん強くなって範囲も広がり、
仕事や日常生活にも支障がでてくるようになりました。
どうして?なんで治らないの?
毎週末のようにあちこちの病院にかかることがストレスで、
不安や焦り、苛立ちも募りまくっていました。
その後、病名が分かってから疑問に感じたのは、
なぜ、これほど時間がかかってしまったのか?という点でした。
一番長く通った皮膚科の先生からは診察後に
「うーん、良くならないですねえ、また来週、様子を見せてください」
と言われ続けました。
でもさぁ先生、たとえご自身の専門外の疾病だとしても
当然いろいろな医学的知識もあるでしょうし、
「もしかして、これは難病系かもしれない」とは
チラリとも考えないものですか? 全く前例なし?
こんな風に訝ってしまうほど、
病名が判明するまでの日々は長く辛いものでした。
ただ、今は少し違う考えをもっています。
あの頃の私は、病院にさえ行けば何とかしてくれるだろうと、
完全に判断を委ねていました。
「内服薬でも塗布薬でもいいから、早く治してくれ」って感じで
体の異変と真剣に向き合っていなかったのです。
軽度であってほしいという無意識の願いもあったのかもしれません。
それに、皮膚科では顔や手指だけ、
整形外科や整骨院では体の痛みだけを訴えていました。
かかりつけ医がいれば、まとめて相談できたのかもしれません。
体調不良であることを知られたくなくて、 会社でもひた隠しにしていました。
周りの頼れる知人に相談するなどして、
より広く情報を集めることも有効だったでしょう。
結果的に、ずいぶんと不要な薬を飲み続けてしまったし、
遠回りしたぶん、症状も悪化させてしまいました。
「あの時、ああすれば良かった」を繰り返した私。
その反省と記録も兼ねて、難病ライフを記します。
<あの頃の私へ>
自分の体は自分で守るしかない
もっと真摯に体と向き合いなさい!
*今日もぐるぐる*